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選挙を終えて。略称「民主党」の重複問題について、みんな気にならないのかな?

気になっている選挙の小さな疑問がある。先日、選挙の投票所に行った時、国民民主党と立憲民主党のそれぞれの略称が「民主党」と全く同じであった。これはどういうことなのか?略称で書いた場合、自分が国民民主党に入れたのか、立憲民主党に入れたのか、判断できないのではないか?また、候補者または政党名を書いて投票する時、漢字を間違った場合、投票は無効になるのか?どの程度の間違いまで許されるのか?なぜこんなことを気にしているかというと、立憲民主党の「憲」の字が投票所に記載している字では細かくて見えなかったので、正しく書けていたか自信がなかったからだ。

略称「民主党」の重複問題について

なぜ「民主党」と書くとどちらの党かわからないのか?

これは実際に起きた問題で、特に比例代表選挙で深刻な混乱を招いている。

現在、日本には以下の2つの政党が存在する:

  • 立憲民主党(りっけんみんしゅとう)
  • 国民民主党(こくみんみんしゅとう)

この両党は、いずれも旧・民主党から分裂して生まれた経緯を持つ。どちらも「民主党」の名前を略称として使用申請しており、実際にどちらも略称として「民主党」と届け出ている

そして、選挙管理委員会(総務省管轄)はこの略称の重複を禁止していない。つまり、有権者が投票用紙に「民主党」とだけ書いた場合、どちらの政党を指しているのかを選挙管理委員会が判断しないといけなくなる。

実際に「民主党」と書かれた票はどう処理されるのか?

票の数が多い方に割り当てられる
→ これを「得票数の多い政党に配分するルール(多数者配分方式)」という。

たとえば、比例代表で「民主党」と書かれた票が1万票あったとして、そのうち立憲民主党に入った票が10万、国民民主党に入った票が3万だった場合、「民主党」票1万票のうちおよそ77%が立憲に、23%が国民に割り当てられる。つまり、「民主党」と書いても、意図どおりに届かない可能性がある。

漢字を間違えた場合の票の扱いについて

漢字ミス=即無効票になるのか?

必ずしもそうではない。選挙においては、有権者の投票の意思が明確である限り、有効票として認められる

これは公職選挙法および総務省が定めた「投票の取扱い基準」に基づいており、以下のような原則がある。

有効・無効の判断基準

●有効とされるケース(例)

  • 誤字や略字でも、誰に投票したか明らかである場合
    例:「立憲民主党」の「憲」を「権」と間違えても、「立権民主党」と書かれていたら、意味が明白なので有効と判断される可能性が高い。
  • 候補者の氏名の読みが違っていても、表記が一意に特定できる場合
    例:「山田一郎」候補に「ヤマダイチロウ」「山田一ろう」などと書いてあっても、同姓同名の候補がいなければ有効。
  • 略称や通称でも、明確に判断できる場合
    例:「りっけん」「こくみん」「たろう」「花子先生」など、選挙管理委員会がその候補者や政党を特定できると判断すれば有効になる。

●無効とされるケース

  • 特定の候補者・政党を特定できない場合
    例:「ミンシュ」「民主」だけでは、立憲か国民かわからないため、票が分割処理されるか、無効になる可能性あり。
  • 他候補と混同の恐れがある場合
    例:同一選挙区に「田中太郎」「田中次郎」がいるのに、「田中」とだけ書いた場合、無効になる恐れがある。

選挙所の掲示が小さくて読みにくい問題

これは全国的に多くの投票所で指摘されている問題で、特に「憲」「灘」「斎」などの難読漢字や異字体が読みにくいと感じる人が多い。これは高齢者だけでなく、若年層や外国ルーツの有権者にも影響している。

対策としては以下のような行動が推奨される:

  • 事前に「候補者名・政党名をメモして持参する」(公選法で認められている)
  • 選挙管理委員会が発行している「選挙公報」や「期日前投票所の掲示」で事前確認
  • 投票所に設置されている投票記載台の掲示を確認(ただし文字が小さいことも多い)

まとめ

疑問 結論
「民主党」と略して書いたら? 「民主党」と略して書くと、どちらの党への票か分からないため、票が割り振られる。自分の意思を正確に伝えるには、「立憲民主党」「国民民主党」まで正確に書くことが必要。この問題は、公選法の盲点でもあり、改善を求める声も多い。
漢字を間違えたら? 誤字があっても、意図が明確なら原則有効票として扱われる。
立憲の「憲」が読めなかった場合 少し間違っても候補や政党が特定できるなら有効。ただし注意を。

もし不安がある場合は、選挙公報やネットで候補者・政党名を事前にしっかり確認し、メモを持って行くのが確実だ。誰の名前を書いたかが自分の意思をきちんと反映する唯一の方法になる。選挙は権利であり責任でもある。だからこそ、こうした細かい点を知っておくことはとても大切だ。

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