2025年夏、自民党は歴史的な惨敗を喫した。派閥争いや金権政治、そしてなにより国民生活の困窮に対する無策。そうした積み重ねが、有権者の怒りとして噴き出したのは当然の帰結であった。今、政権交代の足音が聞こえている。しかし「その先」を考えたとき、果たして本当に政治は変わるのか。どの政党が勝ち、そして物価高・消費税・社会保障はどうなるのか。国民の目線で考察していきたい。
なぜ自民党は支持され続けるのか──高齢者層の重み
「なぜまだ自民党を支持する人がいるのか?」という疑問は、都市部や若年層を中心に共有されている。筆者自身、選挙後にまだこれほどの自民党支持者がいることに愕然とした・・・。しかし、その答えは意外と単純である。自民党を熱心に支持する層は、60代以上の高齢者層だからだ。
彼らは戦後復興から高度経済成長、バブル景気を通じて「自民党が日本を発展させた」という記憶を持っている。また、テレビや新聞などの旧来メディアを中心に情報を得る高齢者は、保守的な価値観に傾きやすく、現状維持への安心感を重視する。この世代の投票率が高いため、自民党は選挙で一定の支持を維持し続けているのだ。
若年層・中年層の支持政党は変化している
一方、30代~50代の中年層では「改革型野党」への支持が高まりつつある。立憲民主党にはリベラル層が、国民民主党には現実的な経済政策を望む層が、そして参政党などには右派系の価値観を持つ層が惹きつけられている(現時点での解釈であるので批判等はコメントでお願いします)。
最新の世論調査では、自民党の若年層支持率は明らかに低下しており、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などへの支持が拡大している。この構造の変化は、近い将来の政権の行方を大きく左右するであろう。
これから先、どの政党が政権を取るのか?
今後の政権交代の可能性を考えたとき、有力なシナリオは以下の3つである。
- ① 立憲民主党+国民民主党+共産党の連立政権:反自民票を集めやすい構成だが、政策の整合性に課題あり。
- ② 日本維新の会+国民民主党の中道改革連立政権:減税や地方分権など、経済政策に強みがあり現実味がある組み合わせ。
- ③ 立憲民主党+維新+無所属勢力の大連立:イデオロギーの壁を乗り越えた戦略的連携。可能性は低いが・・・。
現実的には、②の「維新+国民民主」が最も政権奪取の現実味が高く、かつ政策実現力も期待できる構成だといえる。
政権交代後、消費税はどうなるか?
長年の増税路線により、消費税は10%となり、庶民の生活を圧迫している。野党政権が実現すれば、以下のような施策が検討される可能性がある。
- 一時的な消費税5%への引き下げ(時限措置)
- 日用品・食品への軽減税率の拡大
- 年収500万円以下の世帯への消費税還付制度
国民民主党、維新、立憲のいずれもが何らかの減税・負担軽減策を掲げており、政権交代があれば「減税」は確実に政治議題の中心に据えられるだろう。
本当に物価高は解決できるのか?
物価高の原因は複雑で、エネルギー価格の高騰や円安、人件費、物流費などさまざまな要因が絡んでいる。解決に向けた政策としては次のようなものが考えられる。
- 再生可能エネルギーと原発の活用によるエネルギーコストの抑制
- 最低賃金の引き上げと物価との整合的政策
- 日銀の金融緩和政策の見直しによる円安是正
野党政権がこうした複合的な政策を総合的に進められるかが、物価安定のカギとなる。
2028年は「リセットの年」になるか
仮に2028年に政権交代が起きたとしても、それはゴールではなくスタートに過ぎない。自民党に代わる「継続的に国民に向き合う政治」を実現できるかどうか、それが問われることになる。消費税、物価、雇用制度、子育て支援など、生活に根ざした政策の刷新こそが、新政権の存在意義となることは間違いない。古びた既得権政治ではなく、希望を提示できる政治。2028年はその「リブート元年」となる可能性を秘めている。
国民は怒っている。だが、それ以上に「あきらめ」や「期待の喪失」が広がっている。これは、民主主義国家における最大の危機である。「どうせ政治は変わらない」と諦めてしまえば、現状は変わらない。政治とは生活そのものであり、私たちの一票が未来を形づくることを忘れてはならない。筆者も今回の参議院選挙は悔しいと感じたからこそ、国民ひとりひとりが意見を外へ出さなくてはならない。そう考えてのこのブログ投稿である。
政権交代を望むなら、ただ不満を述べるだけでなく、行動へと移すことが必要だ。その第一歩が「投票」であり、「対話」であり、「声を上げること」なのである。自民党の高齢者偏重の支持構造が続く限り、日本の未来像を描くことは難しい。しかし、変化の兆しはすでに始まっている。次代を担う世代が目を覚ませば、政権交代は遠い夢ではない。今回の選挙結果は私たちに示す小さな希望ではないかと感じている。
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